声優が解説!きちんとおさえておきたい発声の仕組み(基本の4ステップ)

発声

将来声優や俳優になりたいけれど、何をしたらいいのか分からないという方は多いのではないでしょうか?
声優として活躍する為には、もちろん事務所に所属して、オーディションで役を勝ち取って、その前に専門学校や養成所で実力をつけて……と数々のハードルを越えていかなければいけません。

ですが、絶対に必要で、かつ、今からでもすぐに始められる準備が「発声」です。
どんなにお芝居が上手くて、光る個性を持っていても、発声の基礎がしっかりしていないと、声だけで表現する声優にはなれません。
逆に、基礎である発声を今のうちからしっかり鍛錬しておけば、チャンスが訪れた時に、そのチャンスをものに出来る確率が高くなります。
しっかり発声の仕組みを理解して、鍛錬していきましょう!

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まずは仕組みを知るところから

きっと俳優や声優を志している皆さんは、発声練習というのを経験したことがあると思います。
「あーーーーーー」と声を出すロングトーンや、「あっ、えっ、いっ、うっ、えっ、おっ、あっ、おっ」と短く声を出すスタッカートなどでしょうか。

でも、声が出る仕組みそのものを知らないままに、これらの練習を続けても、あまり効果がありません。
無いどころか、特定の場所に力が入ってしまう癖や、喉(声帯)と閉めつけたままの発声練習では、声が枯れたり、声帯そのものが傷ついてしまう可能性もあります。
基本原理を知って、シンプルに自分の身体でもそれが実行できるようになることが、一番の近道だと思います。

では、仕組みを簡単に説明します。

発声の原理

  1. 肺に空気を取り込む。
  2. 取り込んだ空気を吐き出しながら、声帯を振動させる。
  3. 声帯が振動することで出来た音の素を共鳴させて大きくする。
  4. 方向と距離感を持って、口から出す。

一つずつ説明します。

肺に空気をとりこむ

あなたが息を吸う時、どうやって吸っていますか?
この質問にきちんと言葉で答えられるでしょうか?
意外と難しいのではないでしょうか。
でも息を取り込むことは発声の第一歩。しっかりと仕組みを理解しましょう。

実は、空気は勝手に入ってくるのです。

え?どゆこと?と思ったそこのあなたちゃんと説明しますからね。

実は肺の中の圧力は、外の圧力より低い状態なんです(陰圧と言います)物質(この場合は空気)は、圧力の高い方から低い方へと流れるようになっています。
なので、空気は肺の中に勝手に入ってくるのです。

ただし、それだけでは沢山の空気を取り込むことは出来ません。
なので、より多く取り込む為に、肺の容積を広げるのです。
そうすると、また肺の内圧が低くなって圧力の高い外から、空気が流れてくるという訳です。

しかし、肺は自分の力で広がることは出来ません。
なので外側から広げてあげる必要があるのですが、その方法がいくつかあります。

方法1つ目
外肋間筋を収縮させて、肺を広げる。
これは、いわゆる胸式呼吸といわれる呼吸です。

方法2つ目
横隔膜を下に押し下げて、肺を広げる。
これを腹式呼吸呼吸といいます。

発声には、2つ目の腹式呼吸がいいとされていますが、その理由は別の記事でご説明します。

取り込んだ空気を吐き出しながら、声帯を振動させる。

肺に取り込んだ息を、今度は外に吐き出します。
その際、声帯が振動することにより、音の素が作られます。
この時、注意しなければいけないのは、大きな音を出そうとして、声帯を強く閉じてしまうことです。
声帯は筋肉と靭帯でできていますが、とてもデリケートです。
あくまでも、音の素を作るう為に振動していると頭に入れといて下さい。

声帯が振動することで出来た音の素を共鳴させて大きくする。

では、どうやって大きい声を出すのでしょうか。
それを実現するのが共鳴です。

ギターを思い浮かべて下さい。
弦を指で弾いて振動させることで音の素が出来ますが、それだけでは大きな音にはなりません。
周りのボディーの部分が空洞になっていて、そこに共鳴することで大きくクリアな音になります。
声帯で頑張って大きな音を出そうとするのは、ボディーがないのに、弦を力一杯引っ張っているのと同じ状態なのです。
音は大きくなりませんし、汚い雑な音になってしまいます。

共鳴させる部分を広げていくことで、大きなクリアな音が作れるようになります。

方向と距離感を持って、口から出す。

共鳴させて身体の中で作られた音を、いよいよ、口から外に出します。
その時に必要なのが、音を飛ばす方向をしっかりと意識すること、どこまで届けたいのか距離を意識することです。

これは、意識するだけで変わってきます。
ボールを投げる時、皆さん無意識に距離を感じて、そこに届く力をボールに伝えますよね。
音もボールと同じです。
方向と距離を意識しないと、ボヤけた届かない音になってしまします。

声優の仕事はマイクの前で行われます。
しかし、声をあてるキャラクターたちは距離があり方向が決まっています。
それも含め声で表現してあげなければいけません。
普段から方向と距離を意識することをオススメします。

まとめ

まずは、具体的な鍛錬方法ではなく、声が出る仕組みについて説明しました。
基本的なことなので分かっている方も多いでしょうが、何か発声でトラブルが起きた時、上達が見られない時などに、どこに問題があるのか、仕組みを知っておくと、ブロックごとに点検しやすくなります。
しっかりと理解しておきましょう!


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